詳しい説明を受ける
その日、珍しく夫くんと一緒に診察室にいました。
先生が時間をかけて、エコー検査をしてくれます。心配していた羊水の量は変化なしということで、とりあえずほっと一安心です。
ちなみに、夫くんは、仕事の都合で、今まで一度も妊婦健診に立ち会うことができませんでした。皮肉にも、今回がエコーでの初めての赤ちゃんとの対面です。
夫くんは、モニターに釘付けになっています。赤ちゃんは元気に、「もにょもにょ」動いています。
診察が終わった後、先生の話がはじまりました。
先生が用紙にいろいろと書き込みながら、これから赤ちゃんに起きるであろうことを、詳しく説明していきます。
超楽天的な人でも、こんな説明を聞いたらひどく落ち込むでしょう。どのように解釈しても、赤ちゃんの運命は非常に暗いものでした。
先生がボールペンで書き込んだ用紙にも、どこにも明るい未来なんて1つも見つけることはできませんでした。
この先救いようのないできごとが、赤ちゃんの身に確実に待ち受けているようです。
羊水がなくなるということは・・・。赤ちゃんがどうなるか・・・。
私と夫くんは、静かに先生の話に耳を傾けていました。
不思議な平安に包まれる
そんな話を聞いたお母さんは、激しく動揺することでしょう。
泣き叫んでいるかもしれません。
しかし、私はそのとき不思議な平安に包まれていました。
「大丈夫。そんなことにはならない。」
どこからか、そんな思いがやってきました。
先生にうながされて、“絶望”という名の用紙に「説明を受けました」というサインをしていきます。私は診察用ベッドに横たわりながら、上半身だけを起こしてのサインです。
そして、車椅子に乗せられて、再び病室へと帰ってきました。
カーテンで仕切られたベッドの傍で、夫くんは輝くような笑顔でこう言いました。
「そんな事にはならないから。大丈夫だよ。」と。
夫くんは嬉しそうに笑っていました。
「そうだよねー。大丈夫だよねー。」私も笑っていました。
なぜか、2人とも、「赤ちゃんは大丈夫!」そんな思いに満ちあふれていました。
つづく・・・
あのとき、不思議な平安に包まれていました。(・∀・)
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