眠れない・・・
廊下を隔てるドアから、薄っすらと明かりが漏れています。
カーテンで仕切られたベッドの上で、天井をぼんやりと見つめていました。
隣の人の規則正しい、やすらかな寝息が聞こえてきます。
眠れない・・・。
(何がいけなかったのだろう。1人で買い物に出かけたのが良くなかったのか。それとも無理をして、食器を洗ったのが良くなかったのか。あー、ずーっと家にいて、横になっておけば良かったのかなー・・・。)いろんな思いが、ぐるぐると頭を駆け巡ります。
出血を起こした日、私は何を考えていたのでしょうか。
普段は絶対に1人では買い物へは行かないのに、近所のスーパーへ1人で買い物に出かけてしまったのです。
もちろん荷物も1人で全部持ってしまいました。
おまけに、妊娠してから食器を洗う事がとてもつらくなっていたにも関わらず、なぜかその日無理をして食器を頑張って洗ってしまいました。
後悔してもしきれません。
あーでもない、こーでもないと考えていると、ふと、「老化現象」という言葉が、頭をよぎりました。
老化が原因で、体が妊娠に耐えられなくなり、前期破水してしまったのではないかと思ったのです。
(退院してからいろいろと調べてみたのですが、やはり高齢妊娠は、様々なトラブルが起こりやすいみたいですね。
長年妊娠していなかったのに、高齢になってから突然妊娠したということで、体が非常に驚くのだそうです。そして、なんとかして妊娠を阻止しようと頑張り出すそうですね。
私の場合もそれに見事に当てはまったのかもしれません。本当のところはどうだか、よく分かりませんが・・・。)
涙がとめどなくあふれて、耳の中へ入ってきます。耳の中が涙でいっぱいになり、あふれ出て枕を濡らしていきます。
私は無力でした。
ベッドで横になり、ただ安静にする以外何もできないなんて!・・・。
お腹の上に手を当てながら、「イエス様、羊水を止めて下さい。出血を止めて下さい。癒やして下さい。お願いします。アーメン。」と祈っていました。
夫くんには頼れません。現代医学にも、お医者さんにもどうしようもなく、手のうちようがない状態です。
頼ることのできる方は、イエス様だけ。
必死になって祈っていました。「どうぞ赤ちゃんをお守り下さい。」と・・・。
胎動が始まる
するとしばらくして、不思議なことが起こりました。
「ぽこぽこぽこ・・・」
はじめは腸が動いたのかと思いました。しかし、「ぽこぽこ・・・」は続きます。
“ハッ”と気が付きました。
胎動です。赤ちゃんが動いています。
「なんだかお外の様子がいつもと違うよ~。どうしたの?お母さん、泣いてるの?大丈夫?」と、赤ちゃんがぽこぽこ動いて、私を元気づけてくれているのだと思いました。
「ぽこぽこぽこ・・・」
泣けてきました。
赤ちゃんは元気に生きています。
お腹の上に手を当てました。「赤ちゃん、まだ天国へ帰るのは早いのよ。この世は大変なこともあるけど、楽しいこともたくさんあるのよ。一緒にお歌を歌ったり、お散歩したりしようよ。お願いだから、まだお母さんのお腹の中にいてね。」
声を押し殺して号泣しました。
あふれる涙を止めることは、できませんでした。
つづく・・・
「一生分の涙を流した」と思いました。(´;ω;`)
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