羊水が出ている
「カチャカチャカチャ・・・」
カーテンの向こう側から、器具の音とともに、何やら話し声が聞こえてきます。
「さらさらした血だなーetc・・・。」
しばらくして、カーテン越しに先生から質問がありました。
「お腹は痛いですか?」
「お腹は痛くないです。」
「え?お腹が痛くはないのですか?」
「はい。全く痛くありません。」
こんな問答が続きました。
お腹が痛いかどうかというのが、何かの鍵になるみたいですね。
私の場合、激しい出血はあったものの、お腹の痛みというのが不思議と全くありませんでした。
しばらくして、診察が終わりました。
先生が説明をして下さいます。
「夜中なので、簡単な検査しかできませんでしたが・・・。破水して、羊水が出ているみたいですね。」
私(何?破水?羊水が出ている???)
医学のド素人の私でも、羊水が出ているということが、どんなに恐ろしいことを意味しているのか、直感で分かりました。
赤ちゃんが生きていくために必要な羊水。
それが、流れ出て減っていくということは・・・。
すぐ目の前まで迫っている暗闇が、パックリと大きな口を開けて、私達を飲み込もうと待ち構えているのが一瞬見えたような気がしました。
動揺しながらも再び車椅子に乗せられて、夫くんが待っている待合室まで移動していきます。
前期破水する
そこには、先生と夫くんがいました。
何やら話しこんでいる様子です。
車椅子で到着するやいなや、先生が私の目を見て、はっきりとこう言われました。
「前期破水です。妊娠の前期で破水というのは、非常に珍しいですね。まぁ、症例がないということもないのですが・・・。
しかし、前期で羊水が出てしまっていては、現代の医学ではどうしようもありません。ただ、安静にしていただくしか方法はありません。」
私(どうしようもないって、どういうこと?現代医学でも、手の施しようがないってことなの?じゃあ、赤ちゃんは一体どうなるの???)
頭が混乱してきました。
そのときパニックになっていたら、泣き叫んでこう言ったでしょう。
「なんとかして治してくださいよ!赤ちゃんを助けて下さい!現代医学は、ものすごく進歩しているんでしょう?お医者さんは、病気や怪我を治すことが出来るんでしょう?助けてください。お願いしますから!!!」と・・・。
でも、不思議と冷静でした。先生の目をまっすぐに見すえながら、何か赤ちゃんが助かるヒントがあるんじゃないかと思い、先生の言葉一つ漏らすまいと、静かに耳を傾けていたのです。
つづく・・・
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