1人で自己注射をする
前回の体外受精④ 自己注射の練習をするの続き・・・。
いよいよ、1人ぼっちで自己注射をするときがやってまいりました!
手をキレイに洗ってから、自己注射セットをダイニングテーブルの上に用意して、看護師さんに教えてもらったとおりに並べていきます。
確認のために、自己注射の手順が示された用紙も(←私のメモ書き入り)、一緒に並べておきます。
深呼吸をします。手が震えています。心臓もばくばくしてきました。
「で、できるかしら・・・」
この家には、私のほかには誰もいない・・・。
「この家にいるのは私だけ」という思いがドーンと迫ってきました。もちろん、頼れる看護師さんはいません。シーンと静まり返った部屋に、私1人だけポツーンとしています。
それでも立ち向かう
1人で注射をしないといけないと思うと、急に不安が押し寄せてきました。
思わず逃げ出したくなりました。
「でも、やらなければならない。やらねばならぬ。ようし、やるぞー!!!赤ちゃんに会うために頑張るぞー!!!」
と気合を入れ、注射器セットに立ち向かう事にしました。
まずは、生理食塩水の入った小さなガラス瓶を、指で瓶を軽くはじいてから割っていきます。
「わ、割りますって、ん?なかなか割れない!前から割るんだっけ?あれ後ろからだっけ?」
なかなか割れない生理食塩水の瓶を前にして、焦ってきました。
あれこれ試してみても、よく分かりません。しょうがない。適当にやってみることにしました。
悪戦苦闘のすえ、遂に“パシッ”ときれいに割る事ができました。
「ラッキー!!!」(←しかし、数回の自己注射の後、私はこの生理食塩水の瓶でバシーっと見事手を切ってしまい、非常に痛い目に合うことになります。その後、看護師さんに生理食塩水の割り方をしっかりと聞いたことは言うまでもありません。←分からない事はちゃんと質問しておけば良かったと激しく後悔しました。)
そんなこんなで、やっと薬を調合し、注射器の中に液体を吸い込ませることに成功!いよいよ自分の腹に自分の手で、注射針をズブっと刺さなければならないときがやってきました。
案のじょう、手が震えます。
「とりゃー!!!」覚悟を決めて、一気に自分の腹に自分の手で注射針を突き刺しました。(ギャー!←心の声)
そして薬をちゅーっと注入。そして、静かに注射針を抜き取ります。
注射針の穴が開いたところに、絆創膏をそっと貼ります。なんとか無事やり遂げることができました。脱力します。汗だくです。
(でも、自己注射って、ほとんど痛みはないんですよ。不思議ですね。)
この自己注射を、決められた期間、来る日も来る日も毎日行わなければなりません。それも、1日1回の注射ではなく、1日2回の注射のときもあったりして、嫌すぎて、泣けてきました。
格闘した後の注射器やら薬の瓶などの残骸を目の前にして、しばらくの間、椅子に深く腰かけていました。
そして、絆創膏を貼ったお腹の上にそーっと手を置きながら、「まだ会えぬあなた(赤ちゃん)に会えるよう、お母さんは頑張るよ。早く会いたいな。」
ぽつりとつぶやきました。
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